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大人のピアノのはじめ時

10月になりました。猛暑からの突然の急降下で体感温度は冬かと思う10月のはじまり。
よくぞダウンせずに季節の変わり目に突入した、と自分を褒めたくなる位、今年の夏の暑さは異常でした😅今から来年が怖い~~💦でも、過ごしやすくなったのは有り難いです。

人生100年時代と叫ばれる昨今、コロナ禍以降我が教室でも年々大人の生徒さんの入会が増えるようになりました。実は内心、「何故、これまで存分に頑張ってこられた年代の方々なのに敢えて苦しい世界に飛び込むのかしらん・・・。」と。おいおい、教室主宰者がなんて事を言うんだ!と思いますが、事実、始めてみてそれを実感されている生徒さんもいらっしゃいます。「あの時の先生の言葉の意味が分かる気がします・・・・。」という生徒さんも。でも、皆様、熱心に通ってくださるのです。そして、大抵のみなさまが意欲的に次はこの曲をやってみたい、コンサートやYouTubeで素敵な曲を見つけてしまった、等聞かせてくださるのです。凄いな、何が皆さんをそうさせるのか、と思ったのでカウンセリングシートや皆様のご意見を伺ってみました。

大人の生徒さんがピアノを始めたきっかけランキング!👑
いってみよーーー!

1、楽器を弾いてみたかった!
入会された多くの皆さんが楽器を弾ける事に憧れをお持ちでした。確かに楽器を弾けるって魅力的ですよね。私もピアノ以外の楽器を使いこなせる人を見ると尊敬します。大人になって、限りある時間を意識するようになると「自分が思い残す事無く、やりたいことをやってみたい!」と皆さん口々にお話されました。

2、家にピアノがあったから!
昔、お子さんや親類の方々が使用されていた楽器が今では物置に・・・。というお話も良く聞きます。実際、今から同じ楽器を購入しようと思ったらエラク費用はかさむでしょう。せっかくなので活かしたい!という気持ちで始めてくださる方も。

3、健康維持・ボケ予防!
ピアノはめちゃめちゃ頭を使っていただきます(笑)楽譜を読み、音符の長さを数え、右手左手で異なる動きを要求し、暗記まで・・・。こんなに同時にいっぺんの事をやるのです。子供の時から始めてしまうと、そういうものかと案外出来てしまうのですが、生きる知恵がついている大人からしたら「そんなに1度に多くを求めるな!」と言われかねないほど同時に多くの情報を読んで、かつ処理していただく、と。レッスンでやんわりと大人の生徒さんをしごきながら、少しずつ出来るようになっていく様子を拝見すると間違いなく進化していると思うのであります。

その他、「演奏を聴いて、雷に打たれたような強い感動から自分も始めてみたくなった」「家族の影響」「仕事上・イベント上必要に迫られて」「大人になってからの再スタート」「ストリートピアノで何か1曲弾けるようになりたい」等の理由もありました。

ふむふむ、理由は色々あれど、子供の時と違って自発的な欲求や必要性を感じてくださっているから始めてくださるのかもしれませんね。
門戸を叩くまでが一番勇気のいる期間です。始めてみたら新しい広がりがあるかもしれません。

大人の方のレッスンでは生徒さんそれぞれの希望に合わせてレッスンをしています。楽譜が早く読めるようになりたい方、童謡を弾きたい方、クラシックを弾きたい方、コードを理解したい方、等の希望によってレッスン内容は様々。

興味がある方は是非、お問合せください。

ミュージションという物件

9月になりました。
台風の影響もあってか、グッと涼しくなったこの週末。猛暑日もあるものの秋は近づいていますね。

8月末に中国メディアから取材を受けました。(中国版NHKのような番組との事!)
内容は「生活だけでなく趣味や職場としても両立できる個性的な物件」の特集のようでした。
9月6日の朝に現地で放送されたようです。

その様子はこちらからご覧ください。
https://tv.cctv.com/2023/09/06/VIDEbygwEQXWORva8wuFIqAJ230906.shtml

取材を受け、今の場所で教室を構えた事を思い出しました。

今から13年前、諸般の事情で両親と住んでいた集合住宅からグランドピアノを出さなくてはならない事件が起こりました。
当時、既に桶川の幼稚園でピアノ講師として仕事もしていたし、経済的自立にはまだまだほど遠い収入だったので、なるべく実家に近くてピアノが置ける所を必死になって探しておりました。

楽器可能な物件というのは通常、音楽大学がある駅や沿線にはいくつかあるのです。13年前の当時、川越や川越近辺の東上線・西武線の沿線にはほとんどありませんでした。辛うじて、見つけたのが市内に2件(そのうちの1件がミュージションだった)、ふじみ野に1件でした。それぞれ見学に行った所、ピアノを置いても良いという条件は同じだったものの、搬入出来る楽器のサイズ、音出しの制限時間、教室利用の可・不可という点においてそれぞれの物件に差がありました。
その中で、全てのリクエストにOKを出してくれたのが現在教室があるミュージションのみだったのです。他の2件に関しては搬入出来る楽器のサイズがNG、教室利用するのがNGでした。
ただ!ミュージションも全てがクリアだった訳ではなく、実は私の所有していたピアノのサイズがエレベーターでは搬入出来ない、という事であわやこちらも入居を断念せざるを得ない懸念はあったのですが、その当時の営業の方が柔軟に対応してくださり、ピアノの搬入業者さんとシミュレーションをして「イケる!」という確証を持って、契約をしてくださいました。その時は、本当に困っていたのでミュージションの存在が大変ありがたかったです。また、ミュージションを運営するリブランマインドさんの柔軟な対応と楽器を演奏する立場の方を応援してくれる姿勢に本当に助けていただきました。

当初、ミュージション川越の中でも私が入居した頃は私のピアノ教室の他にボーカルスクールさんが2件位と、ギターやサックス等も習える音楽教室さんの4件程度しかありませんでした。でも今ではピアノ教室だけでも10件弱は開校されています。大げさですが、地域の音楽教育の裾野も広げている拠点になっているのではないでしょうか。

最初は東上線沿線にポツポツとしか建てられていなかったミュージションシリーズでも、今や都内進出もして4000人がウェイティングする人気物件に!待っている人の人数に対して物件が間に合ってないとの事です。日本ではどうしても楽器演奏をする人の場所が限られてしまいます。でも、これだけニーズがあるという事なのです。これからもっと音を気にしないで楽しめる環境が増える事を願っています。

夏の伴奏ラッシュ

残暑が厳しいこの頃🌞今週は少し雨も降って(集中豪雨ですが)、夜になると虫の声も聞こえるようになりました。秋は来るのだろう、か🍂

夏休みもそろそろ終わりに近づき来週にはもう2学期が始まります。
夏休み期間中、教室では今年4人の生徒さんが秋の音楽祭に向けてのクラス伴奏に挑戦すべく準備をすすめておりました。学校の伴奏はいつも夏休み直前に譜面を渡され、伴奏希望者がクラスで複数人いる場合は9月中旬から10月上旬にかけてオーディションを行うというスケジュールです。おおよそ、どこの学校も同じスケジュールです。

小3の生徒さんは今年、初挑戦!なんとその生徒さんから申し出があった時は正直驚きました。普段はおとなしめで淡々と練習をしてきれくれる女の子です。あまり積極的なイメージでは無かったのですが、「チャレンジしたい!」という前向きな気持ちで今年初めて挑戦してくれます。生徒さんからの自主的な取り組みは本当に嬉しく、とても応援しています。希望者が多く学校の先生も甲乙つけがたい曲なので結果を伴わせるのは難しいかな💦という印象はありますが、まずはチャレンジする事に大きな価値ありです。来年以降もチャレンジする時に、今年のチャレンジが有る無しで取り組み方のハードルに格段に差がつくからです。あと少し、頑張ろう。

中1の生徒さんからは2名が挑戦。この二人は小学校の時からオーディションにチャレンジしているのでしっかりと決められた期間で成果を出すように限られた時間内で頑張って取り組んでくれています。経験してくれているから、ペース配分や危機感を持って取り組んでくれるので流石という所です。ただ、中1というのは、環境が新しくなり、クラスの他の子のレベルも未知数(中学校は複数の小学校から生徒が集まるため)なので手探りな部分がある年回りです。中2以降になれば前年度と比較できるのですが、、、。とりあえず、頑張ろう。

中2の生徒さんは初めて挑戦。こちらの生徒さんは他にクラスの伴奏希望者がおらずオーディションはありません。昨年は合唱の歌パートだったようですが、今年は伴奏にチャレンジしてみようかなという事で中学生になって初めての取り組みにのぞみます。この生徒さんは小学生の妹さんがいて彼女も習ってくれているのですが、妹さんは昨年、小学校の卒業式の伴奏に挑戦していました。結果は惜敗でしたが一生懸命に取り組んでいた姿を間近に見ていた事で、もしかして影響があったのかなと思います。

伴奏は普段のピアノソロと違って、歌や他楽器と合わせるアンサンブルです。弾き方のアプローチが少し異なります。基本的にピアノの演奏スタイルはソロで単独プレーになりますが、アンサンブルは他と合わせる点が決定的に異なります。相手の音を聞いて、それに合わせる事は、自分の持ち場の責任を持ちつつ、相手の動きにも配慮をする必要があります。耳を鍛えたり、演奏しながら客観的に音楽を総括し、俯瞰するという能力が求められるので良い勉強になります。

経験がすべてスキルアップに繋がります。みんなを応援しつつ、あと少し頑張ろう~🎹

盛りだくさんな7月

8月になりました。
教室の扉を開け閉めする度に凄まじい熱気です🌞来年の夏、これまでのスタイルでレッスン出来るのか今から一抹の不安が。オンライン等と並行して検討していく必要がありそうです。

ここで7月の活動報告をば。

ひとつめ
『カワゴエドラムクラブ様の特別講座にて伴奏のお手伝いをさせてただきました!』

(ピアノ位置からのながめ)

めちゃくちゃ楽しかった!
何が楽しいって、大人数でアンサンブルをして一つの曲を作り上げる一体感。講師の島野先生の指導も大変分かりやすく、丁寧で優しく、とても勉強になりました。参加された皆さんも本当に楽しそうでした。私自身もレッスンの組み立て方や、ピアノとドラムの違いに気づかせていただき勉強になったのです。ピアノは{個人プレ-・1人でメロディも伴奏も担当}するのに対し、打楽器は{1種類でも複数種類でもプレーOK・メロディ担当がいない}という点です。つくづくピアノって自己完結型の個人競技だなと感じました。(連弾やビッグバンドのようにアンサンブルでの演奏形態もありますが。)

そして打楽器が楽しい!今回の講座は楽譜が無くてOK。それぞれの楽器が担当するシンプルなリズムパターンを覚えて奏でられたらメロディと合わせてその場で1曲演奏できてしまうお手軽さ(゚ロ゚)
そして普段は見たことも無い大小様々な太鼓やベルにシェイカーなど数々の楽器達。触るだけで楽しい、珍しい!これがすべて島野先生の持ち物なのもビックリ。今回は伴奏でのお手伝いだったけど、これは自分でも参加したい講座でした~。

ふたつめ
『蔵まちピアノの運営とダンスパフォーマンスでの生演奏参加♪』

昨年に続き、川越百万灯夏祭りの一番街で元気に弾けてきました(*^_^*)

蔵まちピアノは祭の日限定で路上にストリートピアノを設置するイベント。ですが、そのイベント中に一番街の店主によるダンスパフォーマンスもあるのです。その折りに私は演奏でお手伝いさせていただくのですがなんとなんと今年は、先ほどのカワゴエドラムクラブ様のご協力でピアノにドラム隊も参加!
一番街商店街の店舗の皆様もこの日のために1ヶ月前から自主練&団体練習を重ね、昨年よりレベルアップしたダンスパフォーマンスを「夏祭り」の楽曲にのせて披露!そして昨年、感染爆発により断念したその場のお客様を巻き込んで「風になりたい」の楽曲にのせてダンスパフォーマンスも炸裂!もう感無量だったのであります。メインはストリートピアノなんですが、主催の一番街商店街の皆様は「この場に来てくださる皆さんが楽しかったと思える場所にしたい」という思いから、自らもパフォーマンスを発信、その熱い気持ちが川越の観光地の顔を創っている所以なのだな~と実感しました。

風になりたいの歌詞の一節、
♪天国じゃなくても 楽園じゃなくても あなたにあえた幸せ 感じて風になりたい

まさにこれを噛みしめながら演奏してきました。

みんなで一つになれたイベントに関わらせていただき、充実した7月でした🌻

素晴らしい成長

7月になりました🌌
6月は私を含め、教室では体調不良者が続出💦どの週にも必ず欠席者がいる月でした。うちの教室はありがたい事に、ほとんどの生徒さんがほぼ皆勤賞になる位出席率が良いのですが、コロナでもインフルでも無い体調不良者が学年・学校関係なく流行したのは珍しいことでした。今月からは一巡したので完全復活の兆し、になると良いな!今度は陽気が暑くなるので、引き続き体調管理を大切に(私含め)

先日、レッスンにて生徒さんの成長を感じてじ~~~んとくる事がありました。

現在、教育職に就いているMさん。大学入学と共に教室に通いにきてくれ、現在は社会人2年目として奮闘中です。今は毎週のピアノレッスンのコースは卒業していますが、行事等で大役を任されるとピンチヒッター的に単発で本番前に集中してレッスンに通っています。

今回は終業式のピアノ伴奏を任されるそうで、課題を持ってきました。
曲はカテゴリーとしては童謡ですが、全体を通して躍動感のあるリズムが右手左手に複雑にかみ合っている構成です。使用音域もそれなりに広く、言ってしまうと作業量の多い1曲です。メリーさんの羊や蝶々とかのシンプルなコードで構成されている曲ではありません。

歌の伴奏のポイントは、「いかに歌が歌いやすく弾けるか」が重要です。
伴奏においては主旋律よりも、歌のフレーズが始まる直前やメロディが伸びている時の合いの手などが意外と重要。この地味ポイントをいかにキメられるかで歌いやすさが変わってきます。
レッスンで、「ここが決まると歌、入りやすくなるからなるべく外しちゃダメよ」とお伝えすると、「あ~~~、そうですよね💦ここ外すとみんなが止まっちゃう💦」という実感のこもったリアクションが返ってきました。この一見、なんてことのないリアクション・・・、

このリアクションが本当にリアルだった!学生の時から真面目に取り組んでくれていたMさんですが、社会人1年目を過ごし、色々な体験をした中で、自分の事だけでは無く 他人の事を考える余裕が育った からこそ出たリアクションでした。きっと1年の行事の中で、クラスで歌の取り組みをしながらしっくりこなかった事もあったのでしょう。お子さん達が分りやすくて、曲全体がかっこよく聞こえるにはどうすれば良いのか、をしっかり感じ取ってくれた反応でした。

小さいお子さんの成長は、新しく取り込んでくれる余白が多い分、分りやすくその機会も多いですが、Mさんの成長はピアノのテクニックだけでなく、人として大きな成長を感じさせてくれる1コマでした。嬉しいな♪本番が上手くいくように応援しています!

2023年度発表会無事終了♪

GW前日。教室は明日4/29(土)~5/5(金)までお休みです。
このお休みの期間中に新年度のスケジュールを大幅改訂中です。今年は幼稚園から小学生へ、小学生から中学生へ進学した生徒さんが多いので調整が難しい~~。なんとか皆様の第1希望に寄り添えるよう、絶賛調整中です。

さて、先日2023年度の教室発表会を無事開催出来ました✨
参加者・観客の制限なしの開催は4年ぶり!無事に開催出来て良かったです(>o<)

発表会は、ステージの時間だけを部分的に見れば、たかだか1人の持ち時間は平均5分程度、全員で2時間弱のパフォーマンスですが、ここまでの準備や継続してきたからこその成長を振り返ると語り切れないドラマがあるのです。なんにも出来ない0だったものが、1になって、その1を踏み出して10にも無限にもなる。言葉でまとめてしまえば簡単なことですが、これを体現するのは本当に大変な事。
今年はピアノを初めて9ヶ月~9年、継続してくれている生徒さんが各々の演奏を披露してくれました。みんな頼もしかった。

私の教室はコンクールやオーディション等でバリバリ頑張ってもらう教室ではありません。
皆さんが望む等身大のペースに寄り添って、時折背伸びをしながらピアノを学んでもらう教室です。

今年の選曲に関しても、ほとんどの生徒さんが自分の好きな曲・弾きたい曲を伝えてくれ相談しながら取り組みました。発表会後の感想も「楽しかった」「少し間違えたけど最後まで弾けて良かった」「来年は○○やりたい」などを聞かせてくれました。

来年の発表会も、生徒さんの「好き」と成長を感じられるものにしたいと思います。
それでは、新年度(時間割を決めてから)も元気に時間を重ねていきましょう。

楽器演奏に必要なスキル

年度末の先日、教室で初めてカウンセリングウィークを設定して実施しました。
どちらかというと保護者を対象にして、「うちの子の練習方法は大丈夫かな」「ちっとも練習しないけど、どうすればいいかな」「家に使われていないピアノがあるけど、どう使うor処分したらよいかな」等、レッスン時間のみでは足りないので改めて時間を設けてご相談を受けました。

上記に加え、日頃おとなの生徒さんからも寄せられるお悩みでダントツに多いのは自宅学習でのやり方についてです。回答は個別に異なりますが、総じて言えることはソルフェージュの重要性です。

ソルフェージュとは?

様々な説明がありますが、教室では「楽器を演奏する上で必要な総合的な音楽スキル」と表現します。
総合的な音楽スキルとは何か。平たく言うと以下の4つ。

①読む
②書く
③歌う
④弾く(吹く、叩く)←管楽器・打楽器の場合

全ての項目の前に(楽譜を)を入れると伝わりやすいかもです。例)楽譜を読む。

そんなのピアノ習っていれば当たり前じゃん、と思われる方もいらっしゃると思いますが、それぞれの項目を分けて特化して見てみると意外と出来ていない事も、ままあります。指導する私も、つい④の比重が多くなってしまうのですが、上記4つの項目のバランスが大事です。
自宅学習を効率的に迷わず取り組めるようになるにも必要な要素です。
ピアノのレッスンというと、ピアノだけ取り組んでいれば良いイメージになりがちですがそれだけだといつか苦しくなる時も。

それぞれの項目については、もっと掘り下げて説明します。そして各項目につき、どこまでを求めるのか、についても次回以降つづっていこうと思います。

ピアノの効用~シニア編~

12月に入りグッと冬らしい気温になりました。
ここ2~3年、シニア(60代以上)の入会者が増えています。こどもの時に少しかじった方もいれば、まるっきり初めての方もいらっしゃいます。習い始めるきっかけを伺うと、「定年になって時間ができた」「こどもが使っていたピアノを活かしたい」「残りの人生、自分の楽しみや憧れてた事をやり残さないため」等のお声を聞きます。

最近はストリートピアノの影響もあり、80を過ぎてからピアノを始めて1曲弾けるようになった方等の演奏からきっかけをもらう方もいるようです。

お教室で習ってくださるシニアからも「次は○○の曲が弾いてみたい」「コンサートに行く楽しみが増えた」「大変だけど頭の体操になる」などのお声をいただきポジティブな時間をお過ごしいただけて嬉しいです。
そんな中、思わぬ効用のお声をいただきました。

ひとつは、ペットボトルの蓋が開けられるようになった。とのお声です。
始められて1年のN様ですが小柄な方で、これまではペットボトルの蓋が堅くて便利グッズを使わないと蓋を開けられなかったそうです。しかし1年経ってなんと素手でも蓋が開けられるようになったとの事。ピアノは関係あるかな、と思いましたが他に考えられる理由が見つからないとの事。指先の強化になったようです。

ふたつめは、寝付きが良くなった。とのお声です。
この夏にピアノを始めてくださったT様。ピアノの練習はお夕飯を済ませ、お風呂に入り、就寝前の時間で取り組まれているとの事。練習しているうちに指先がホカホカして全身もなんとなく温かくなり、楽譜を読んでほどよく疲れてきた頃に眠くなるそうです。手は脳の出張所とも言われる程、医学的に密接に影響する器官同士のようですが、こんな効用があるとは。

意外な新しい発見の現場のお声でした。

伴奏法と指揮法と発声法②~最優秀指揮者賞~

日暮れが早くなりました。夕方来る生徒さんが「わ~、真っ暗。もう夜だよ!」と言って教室を出て行く季節になりました。

前回に続き、今回は校内音楽会の指揮法編です。

今回、指揮に挑戦した中学生のHさんが校内音楽会にて、
最優秀指揮者賞を受賞✨しました

中学生のHさん、いつもは伴奏でオーディションに臨みますが今年は小学校の時からのライバルが同じクラスにいたため「伴奏より指揮のが可能性ありそう」との事で最初から指揮にチャレンジしました。

小学生までは学校の先生が指揮を振られる事が多いように見受けますが、中学になると生徒が担当します。しかしながら小学校からの音楽の授業で指揮についての授業があるかというと、在籍する生徒さんの話を聞く限りどこのエリアでもあまり話されていないか、先生が軽く説明して終わりという所が多いようです。
9月に彼女が楽譜を持って来た時、譜面を見て「これ振り方分る?」と聞いた所、「全然分らない」との事。それもそのはず、持ってきた曲はよりにもよって途中で拍子の変わる曲でした。
よし!とばかり、ピアノのレッスンを指揮のレッスンに切り替えてみっちり1ヶ月半の特訓です。幸い、私が小中高と吹奏楽の経験があった事、自身の中学時代の音楽の先生に恵まれていた事、大学で1年間指揮法の授業を取っていたので、過去の知識と経験を総動員して指揮の指導にあたりました。

彼女の課題となった曲は最初4分の4拍子で始まり、途中8分の6拍子に切り替わる曲です。音楽を勉強している人は想像がつくかと思いますが4分の○○系の拍子は1拍を1振りで指揮をとりますが、8分の○○系は3拍をまとめて1振りで指揮します。(言葉ではイメージしづらいですね)
また、曲の途中で「間」も取らなくてはならないため、そういう箇所においては変則的に振り方を変えねばなりません。学校の授業では教えきれないだろうなあと思います。
Hさんは小柄な事もあるため、腕の位置、手の開き方、歌と伴奏のフレーズの始まりの前のブレスの合図等、細かな事まで色々お伝えしました。

ひとつ、大変だったのはクラスメイトに指揮の予備知識が全く無かった事。認識を共有していれば足並みを揃えられる事でも片方が全くの無だったため、その足並みを揃える事に苦労しました。指揮や歌で大事な事は、フレーズの始まりの直前のブレスです。指揮ではその合図をいかに上手に伝えられるかがポイントです。歌や伴奏と違って先回りをして合図を出す為、その点はピアノの演奏と違い彼女も苦労しました。しかし、持ち前のガッツのある生徒さんでしたのでしっかりと吸収して毎回前進してくれました。

その甲斐あって、結果はなんと最優秀指揮者賞を受賞。また、クラスの合唱も最優秀賞を取れたとのことでした。とても嬉しいニュースでした。祝杯と称して私も美味しい晩酌がいただけました。
中学生最後の年に良い思い出になったのではないでしょうか。

伴奏法と指揮法と発声法①~伴奏編~

11月になりました。2022年もあと2ヶ月。仕事もプライベートもやり残しが無いようTo doリストを作成しなくては。

先月末から公立の小中学校で音楽会が開催されています。
例年、うちの教室では音楽会で伴奏に挑戦したい生徒さんが校内のオーディションに向け夏休み、練習に励みます。今年も希望者がいました。

伴奏は普段のピアノレッスンで取り組む曲とはアプローチが異なり、大前提として歌(もしくは他楽器)とのアンサンブルとなります。普段、教室のレッスンで取り組む課題曲は平たく言えば個人プレーの取り組みです。学校の音楽会で伴奏する曲は、クラス全体で足並みを揃える曲です。仮に運動会の種目で例えるなら前者が徒競走で後者はムカデ競争なのです。ですから、周囲を見渡し、時には引いて時には陰ながらリード出来るようなテクニックが求められます。どこで仕掛けるかはコツがあるのです。

自分で言うのもなんですが伴奏は好きで得意でした。小中の校内伴奏は殆ど務めていたし、高校大学も声楽や管楽器の伴奏を常に受けていました。
お教室によっては学校の課題はレッスンでみない教室もあるようですが、うちはウェルカムですので生徒さんの挑戦が嬉しいです。

今年は小学5年生のIさんがチャレンジしてくれました。とても熱心に取り組んでくれましたが残念ながら今回は結果に繋がりませんでした。しかしクラスのお友達からは「伴奏した子の中でIちゃんのピアノが一番歌いやすかった。」「プロみたいに上手」という意見を数名からいただけたようです。学校にはその学校なりの判断基準があるため、教室の指導が必ず結果に繋げられるもので無いときもありますが、お友達からの言葉がIちゃんにとっても指導した私にとっても励みになりました。

チャレンジした事、またそれによって感じた全てのものが宝物なので別の機会に何かの糧になってくれる事を願います。