日暮れが早くなりました。夕方来る生徒さんが「わ~、真っ暗。もう夜だよ!」と言って教室を出て行く季節になりました。

前回に続き、今回は校内音楽会の指揮法編です。

今回、指揮に挑戦した中学生のHさんが校内音楽会にて、
最優秀指揮者賞を受賞✨しました

中学生のHさん、いつもは伴奏でオーディションに臨みますが今年は小学校の時からのライバルが同じクラスにいたため「伴奏より指揮のが可能性ありそう」との事で最初から指揮にチャレンジしました。

小学生までは学校の先生が指揮を振られる事が多いように見受けますが、中学になると生徒が担当します。しかしながら小学校からの音楽の授業で指揮についての授業があるかというと、在籍する生徒さんの話を聞く限りどこのエリアでもあまり話されていないか、先生が軽く説明して終わりという所が多いようです。
9月に彼女が楽譜を持って来た時、譜面を見て「これ振り方分る?」と聞いた所、「全然分らない」との事。それもそのはず、持ってきた曲はよりにもよって途中で拍子の変わる曲でした。
よし!とばかり、ピアノのレッスンを指揮のレッスンに切り替えてみっちり1ヶ月半の特訓です。幸い、私が小中高と吹奏楽の経験があった事、自身の中学時代の音楽の先生に恵まれていた事、大学で1年間指揮法の授業を取っていたので、過去の知識と経験を総動員して指揮の指導にあたりました。

彼女の課題となった曲は最初4分の4拍子で始まり、途中8分の6拍子に切り替わる曲です。音楽を勉強している人は想像がつくかと思いますが4分の○○系の拍子は1拍を1振りで指揮をとりますが、8分の○○系は3拍をまとめて1振りで指揮します。(言葉ではイメージしづらいですね)
また、曲の途中で「間」も取らなくてはならないため、そういう箇所においては変則的に振り方を変えねばなりません。学校の授業では教えきれないだろうなあと思います。
Hさんは小柄な事もあるため、腕の位置、手の開き方、歌と伴奏のフレーズの始まりの前のブレスの合図等、細かな事まで色々お伝えしました。

ひとつ、大変だったのはクラスメイトに指揮の予備知識が全く無かった事。認識を共有していれば足並みを揃えられる事でも片方が全くの無だったため、その足並みを揃える事に苦労しました。指揮や歌で大事な事は、フレーズの始まりの直前のブレスです。指揮ではその合図をいかに上手に伝えられるかがポイントです。歌や伴奏と違って先回りをして合図を出す為、その点はピアノの演奏と違い彼女も苦労しました。しかし、持ち前のガッツのある生徒さんでしたのでしっかりと吸収して毎回前進してくれました。

その甲斐あって、結果はなんと最優秀指揮者賞を受賞。また、クラスの合唱も最優秀賞を取れたとのことでした。とても嬉しいニュースでした。祝杯と称して私も美味しい晩酌がいただけました。
中学生最後の年に良い思い出になったのではないでしょうか。