教室ブログBLOG

伴奏

伴奏法と指揮法と発声法①~伴奏編~

11月になりました。2022年もあと2ヶ月。仕事もプライベートもやり残しが無いようTo doリストを作成しなくては。

先月末から公立の小中学校で音楽会が開催されています。
例年、うちの教室では音楽会で伴奏に挑戦したい生徒さんが校内のオーディションに向け夏休み、練習に励みます。今年も希望者がいました。

伴奏は普段のピアノレッスンで取り組む曲とはアプローチが異なり、大前提として歌(もしくは他楽器)とのアンサンブルとなります。普段、教室のレッスンで取り組む課題曲は平たく言えば個人プレーの取り組みです。学校の音楽会で伴奏する曲は、クラス全体で足並みを揃える曲です。仮に運動会の種目で例えるなら前者が徒競走で後者はムカデ競争なのです。ですから、周囲を見渡し、時には引いて時には陰ながらリード出来るようなテクニックが求められます。どこで仕掛けるかはコツがあるのです。

自分で言うのもなんですが伴奏は好きで得意でした。小中の校内伴奏は殆ど務めていたし、高校大学も声楽や管楽器の伴奏を常に受けていました。
お教室によっては学校の課題はレッスンでみない教室もあるようですが、うちはウェルカムですので生徒さんの挑戦が嬉しいです。

今年は小学5年生のIさんがチャレンジしてくれました。とても熱心に取り組んでくれましたが残念ながら今回は結果に繋がりませんでした。しかしクラスのお友達からは「伴奏した子の中でIちゃんのピアノが一番歌いやすかった。」「プロみたいに上手」という意見を数名からいただけたようです。学校にはその学校なりの判断基準があるため、教室の指導が必ず結果に繋げられるもので無いときもありますが、お友達からの言葉がIちゃんにとっても指導した私にとっても励みになりました。

チャレンジした事、またそれによって感じた全てのものが宝物なので別の機会に何かの糧になってくれる事を願います。

憧れの伴奏者が…、川越に来るぅぅ~~!

今週で5月も終わり。月初めに新元号が発表されたのが随分前の事のように感じられる位時間の経過を早く感じる今月でした。信じられないかもしれませんが先月のGW直前には暖房をつけていた日もあるくらい寒い気温の日もあったのに、この1か月の激変ぶりは振り返るとすごかったです。

さて今月のコンサートインフォ♩
発表会などでいつもお世話になっているウェスタ川越で、

「田中靖人&白石光隆デュオコンサート」が開催されます。詳細はこちら

サキソフォンとピアノのコンサートです。
え?オーケストラやピアノじゃないの?と思う方もいらっしゃるでしょうか。
田中靖人さんと言えばサキソフォンを勉強している方にとってはとても有名な先生です。
実は私は学生の頃、ピアノの勉強とは別に(いや、それ以上?)熱中していたのがサキソフォンの伴奏でした。通学していた学校のサキソフォンの先生は田中先生ではありませんでしたが、その当時の他大学のサキソフォンの先生方をお名前だけ覚えさせていただき機会があればCDやコンサートなど聴いていたものです。田中先生もその一人です。
そして田中先生は勿論ですが、個人的に熱くおススメしたいのが白石光隆さんです!!
白石さんと言えば、その当時活躍されていた管楽器の有名なプレーヤー兼指導者の伴奏をたくさん務められていたのを記憶しております。伴奏者は名前のごとく裏方なイメージがありますが、ソロのピアニストと違ってそれはまた別のテクニックや息づかいが要求されるのです。何度か聴かせていただいた事があり、本気で教えを請いたいと思った先生でした。
何故かと言うと伴奏のプロだからです。私は勿論、大学などでピアノを勉強しましたが、「伴奏」という視点から本格的にピアノを学んだ事は無かったからです。そして当時は「伴奏」(※さらに限定するなら管楽器の)を教えるという先生方も少なかったように思いました。少なくとも私の周りにはおりませんでした。白石先生が生徒さんを取っているかどうかは存じ上げませんでしたが、演奏を聴いたときに言葉にするのは難しい、なんとも言えない見事なサポート力と垣間見える主役を喰わないけれども輝きのある合いの手で「なんだ、これは」と思ったものです。

そしてそしてなんと!
その長年憧れていた方が、地元川越でコンサートをするなんて!!
来てくれるなんて!!
こんな素晴らしい機会、是非駆け付けなくては!(仕事が調整できるか?!)

あまり知られていない方もいらっしゃるかもしれませんが、是非たくさんの方に聴いていただきたい!言葉で感じるより、耳と体でその素晴らしいアンサンブル、新しいピアノのスタイルを聴いて欲しいです。

川越でこのお二人の演奏を聴けるなんて滅多にありません!今後はわかりません。だから今!
今でしょ!是非

判断力

温かくなったり寒さが戻ったり、春に向けて三寒四温を感じる季節となりました。
昨日のレッスンで生徒さんに「今は冬かな~、春かな~、どっちだと思う?」と聞くと「春!」と返事が返ってきました。

先日、とある生徒さん達とのやり取りの中で感心する事がありました。

1人目は幼稚園の男の子です。
発表会で弾く曲を決めようといくつかの候補を挙げると、すぐに「これがいい」と決まりました。3曲ほど挙げた候補曲は彼の知ってる曲もあれば知らない曲もありました。彼はその中で知らない曲を選びました。「どうしてこれを選んだのかな?」と聞くと、「この曲だったら僕でも右手の音が分かるし、長くないから弾けそうだと思った。」とのお返事が。ほほう。

2人目は小学生の女の子です。
彼女は同じ時期に学校の伴奏にもチャレンジしようとしていました。良く取り組んでいた矢先、彼女から言いづらそうに「…、先生にお話したい事があるんです。」と切り出し、伴奏のチャレンジは今回は辞めようと思います。との事。続けて「伴奏も発表会も一緒にやるとちゃんと取り組めるか不安です。自分の練習の事も考えて今回は発表会の曲に専念したいです。」と話してくれました。

2人に共通しているのは、

・自分のキャパシティを自覚している
・それを他人に自分の口でアウトプット出来る

と言う事です。
これは自分自身にも生徒さんにも(年齢に関係なく)多く経験のある事ですが、自分の能力と相談せずに高望みをして結果、中々成果を思うように出すことが出来なかったという事はレッスンでも起こる事があります。それについては毎回悩むところではありますが、「弾ける曲」と「弾きたい曲」がレベル的に合致していれば問題なく取り組めますが、毎回必ずしも両者が合致しているとは限りません。
もちろん、実力より背伸びをした曲に取り組むことによって大きな成長を得られる事も大切です。
ここでお伝えしたいのは、バランスよく見極めをする事が大切という事です。
弾きたい曲に取組む際のメリットはモチベーションが高いことです。しかしあまり目に見えた手ごたえを感じられないとそのモチベーションも下がって、曲の完成を見ないまま飽きてしまうという事も多々あります。

今回の2人の例はその点において、生徒さん自身の持つ判断力を見せていただけた事例でした。
この判断力がレッスン室の外に出たあらゆるシチュエーションにも是非活かされると良いなと、嬉しく思った出来事でした。

余談ですが、2人目の女の子とのやり取りには続きがあって「せっかく途中まで教えてもらったのに、辞めるって言って申し訳なくて…、ごめんなさい。」と。
そんなこと気にしてたなんて!きっと彼女はとても言い出しづらかったと思います。でも保護者からでもなく、ちゃんと自分の口で伝えてくれてとても勇気ある行動でした。「やりたい気持ちが強ければ、応援したくなるからそんな事は気にしなくて良いんだよ!」とお話しました。
私も子供の頃、学校の伴奏にチャレンジしていた事を思い出し、1度辞めたピアノのレッスンも伴奏によって再開できた経緯があるので、なんとな~く昔の自分を思い出して力が入っちゃうのでした。まだ来年もあるからチャンスを伺ってまたトライしてくれたら嬉しいです。

 

レッスンよもやま~学校伴奏~

すっかり秋めいてきました。9月下旬から毎週続いていた運動会も今週でひと段落しそうです。

この時期、6月の発表会が終わり少しゆっくりペースになる時期でしたが実は数名の生徒さんが息つく間もなく次の新たな大きな課題に向け準備を進めておりました。

「校内伴奏」です。

毎年、10月の末から11月の頭にかけて芸術の秋にちなみ、どこの市区町村の小学校・中学校も校内音楽会を開催します。そして校内で最優秀の成績をおさめると市内音楽祭への参加権を獲得します。この音楽祭を迎えるにあたり、各クラス合唱(小学は合奏も)のピアノ伴奏を1人選出する訳です。
今年、お教室からは学校・学年の違う生徒さん4校5人の生徒さんが挑戦し、見事全員その座に就く事が出来ました。
競争率は地域差がありますが、伴奏をやりたい子がクラス内に複数名いると当然ながらオーディションになります。日頃、お教室では講師の指導はあっても他人と比較してジャッジする機会は殆どありませんので初めて経験する子は大抵苦戦を強いられます。

日頃レッスンで取り組む内容は主に演奏者が単独である事。対して伴奏は歌と共に演奏するスタイルである事。言葉にしてしまえば当たり前の事ですが、演奏をする目的と何処を押さえるべきか、アプローチが異なります。レッスンではそこをお伝えしていく訳ですが、中には普段やっている事と違う事もあり、初めて取り組む生徒さんにおいては戸惑う時もあります。指導側としてお伝えするポイントはいくつかありますが、生徒さん側として1番必要な要素は、

「なにがなんでも絶対自分が掴み取る!!」

という強く固い意志です。これが弱いとやはり本番で結果に繋げにくい事も過去に見てきました。日頃、仲の良いクラスメイトでもオーディションとなればライバルになるのです。競争をしたり、比較される機会が我々の子供時代より圧倒的に少なくなった昨今ではピンとこない生徒さんもおられますが、私はそれを経験し乗り越える力を自分自身で養う良い機会と思っております。

今年はたまたま、全員がその座を掴み取れましたが結果が出なくとも収穫は沢山あります。そして、競い合った見えない生徒さんにも感謝したいです。チャレンジする互いの生徒さんに原動力や推進力という実りをもたらしてくれました。

オーディションでピークを迎えた子、本番に向けてまだまだ調整中の子とそれぞれおりますが、本番では縁の下の力持ちとなるべく緩めずに、でも楽しく準備を続けていこうと思います。