学校行事と表現力
秋晴れの気持ち良い季節になりました。今年からは学校行事も再開して毎週末どこかの学校や幼稚園で行事が開催されています。
9月10日(土)は星野小学校と西武文理小学校の文化祭に始まり、翌週9月17日(土)仙波小の運動会、翌週24日(土)は月越小の運動会、10月1日(土)は中央小・大塚小・ひまわり幼稚園の運動会、10月8日は星野小、ひまわり南幼稚園の運動会、10月15日(土)に白百合幼稚園の運動会、10月24日(土)は大塚小の音楽会!怒濤の行事ラーッシュ!!!
しかし運動会を開催すると言ってもどこの小学校もアフターコロナの影響でお弁当無しの2学年ずつ開催。競技もグッと少なくなって2種目(主にリレーとダンス)の所が多いようです。
「そろそろ運動会だけど準備は進んでるのかな?」と大抵の生徒に聞くのですが、とある男子生徒の回答が面白かったのと、その回答が音楽表現に繋がったので今日はそんなお話です。
回答してくれたF君は「運動会、全然楽しみじゃない。だって競技は少ないし、他の学年の競技も見られないし。クラスのみんなもそんなだから練習に気合いも入らないよ」との回答。F君は普段元気で明るい曲が好きです。発表会や普段のレッスンの選曲でも明るく元気な曲を好みます。小柄であっても好きな曲に取り組む時はパワーが必要な曲でも一生懸命頑張ってくれます。
今回の運動会へ抱いている感想は、本来得意とする感情の性質とは逆のもの。そんな矢先、たまたまですが彼の取り組んでいる曲はL.モーツァルト作曲の「アングレーズ」というマイナーコード(悲しかったり暗い雰囲気を帯びた調性)の曲でした。
ここぞとばかり、「F君!その運動会に対してのやる気の無い感情は、まさしく今の曲の雰囲気にピッタリだ!ナメクジに塩をかけたごとく、テンポも抑えめ、静かに鍵盤を触りたまえ。」と言った所、F君にとって初めてのおとなしい、暗い旋律が奏でられました。当初は元々暗い雰囲気を持っている曲でも弾く人の演奏によって明るく元気よくもなってしまうのです。
日常生活で感じるあるゆる感情は全ての音楽の表現に置き換えられるのですね。だから、良いことも悪いことも経験することは同じに大切だと思うのです。運動会へのやるせない気持ちが役に立って良かったと思う一コマでした。
その取り組んだ曲がこちらです。(テンポ等は生徒さんの弾きやすい設定で演奏しています)
「アングレーズ」←クリックすると動画が流れます