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ピアノ上達のためのピアノを弾く以外の事

二十四節気の今日は大寒❄1年で一番寒い日とされているようです。
寒さが大の苦手なので毎年、大寒などの季節の暦をひとつの区切りに気合を入れて乗り切っています。2月4日の立春の頃にはちょっと早い梅の花に出会えるでしょうか。

さて、最近生徒さんのレッスンにおいて時間を作って初見聴音を取り入れています。初見や聴音ってなあに?という方もおられるかもしれません。

初見とは 楽器の音は出さずに、初めて見た楽譜をその場で演奏する事。
聴音とは 奏でられたメロディやフレーズを楽譜に書きおこしていく事。

初見や聴音はソルフェージュという音楽を演奏していく上で求められる数ある基礎能力の一部を指します。他に視唱や聴奏なども含まれます。
いずれも従来のピアノの練習と違って練習をする取り組み方とは異なります。練習はしないでその場で取り組む課題ですが、これを訓練するとピアノの上達の大きな手助けとなります。

初見に取り組んでもたらされる効果は、読譜のスピードアップ。
聴音に取り組んでもたらされる効果は、耳の性能アップ。

だと個人的に考えます。

中学生以上から社会人の方はお時間に制限があるため、どうしても譜読みに時間がかかる傾向があります。けれど初見の訓練をする事によって短い時間の中で全体像を捉える訓練を積み重ねていきますから自ずと読譜のスピードがあがるようになるのです。

また聴音においては、最近よく生徒さんのレッスンをしていて疑問に思う事に「間違った音を鳴らしているのにおかしいと思わないのかな?」という事でした。ピアノの楽曲は単一の音でなく複数の音の重なりによって音楽が紡がれているわけですが、その複数の音のチョイスはやみくもな組み合わせではなく、同時に響かせて綺麗なハーモニーを生み出す組み合わせになっているのです。また、音の長さに関しても「あ」「あー」「あーーーー」では違います。活字にすると良く分かると思うのですが、目に見えない音となると意外と皆さんここまで気づく事が出来ないのです。

普段のレッスンでは、既に印刷されて出来上がった譜面を見てアウトプットする方向ですが、聴音は奏でられた音を白紙の譜面にデータを作成していく作業です。物事は片側の側面からでなく反対側からも取り組むことによって、その全容を捉える事が出来ると私は考えております。

慣れないと取り組んでいる生徒さんは大変な様子ですが、狙いとしては曲を完成するまでの時間の短縮化と効率化です。
ぜひ、この能力を自分の能力としてインストールして役立ててもらいたいと願います。